前回は、服用していた抗不安薬の減量するまでの過程を書きました。
今回は完全に抗不安薬を絶って、薬を服用しなくても生活できるようになり、そしてパニック障害の発作再発までを書いていきたいと思います。
抗不安薬の服用回数を減らしていき、最終的に頓服で飲む程度まで減らすことができたわけですが、ここでいう頓服とは、予期不安に対する場合です。
例えばこれから電車に乗らなければならない、とか、車でちょっと遠くまで行かなければならい状況ですね。
それ以外の場合は薬を飲む必要はなくなったわけですが、やはり、抗不安薬はいつも持ち歩いておく必要はありました。
これは持ってることにより得られる安心感という意味でも大事なことでした。
このような薬を常時服用しない状態になってからは、どこか旅行とか行ってみたい、っていう欲望も持てるようになって、ちょっと冒険してみることにしました。
冒険だなんてかなり大げさな表現をしましたが、パニック持ちにとっては大冒険といっても過言ではないと思います(笑)
さて、わたしの大冒険はといいますと、それは沖縄へしばらく行ってみる、ということでした。
もともと沖縄好きであったために旅行したい一番の先が沖縄だったのです。
そして、沖縄で薬を飲まなくても済めば、そこで、一切の薬の服用はやめよう、という考えもあったのです。
ということで、沖縄行きをすぐに決めて即行動に移しました。
まずは沖縄へ到着するまでの過程では抗不安薬を飲むことにしました。理由はとにかく安心して現地まで到着したい。ただこれに尽きます。
現地までの難関は電車と飛行機があったわけですが、この頃の自分は頓服的に抗不安薬を飲めば普通に乗れる状態だったので、何事もなく現地に到着することができました。
常時抗不安薬を飲んでる日々のときではこうはいかなかったとというか、そもそも旅行すら行きたいと思わなかったですね。
沖縄に到着してからは、特に予定も決めるわけでもなくのんびりと、南国独特の雰囲気をたのしみながら、いっぱい街を歩いて疲れてよく眠ったりと、気ままに過ごしてみました。
もちろん沖縄ではその間薬は飲まなかったですよ。
とてものんびりリラックスできたことが薬を飲むことすら忘れさせてくれたというか、飲まなくても大丈だ、という意思を持てたことが大変良い作用だったと思います。
今回の沖縄旅行がわたしの抗不安薬減量作戦の集大成になりました。
おかげで、帰りの飛行機、電車は薬無しでも何事もなく帰宅できたのですから。
これって多分行動療法だか、感作療法だかといって、実際に今までに無理だった状態へ身をあえておいてみる、ていうのと同じなのかなぁ、なんて思いました。
パニック障害を克服する上でこういった行動、もしくは訓練ともいうべき行動はどうしても必要になると思います。
わたしの場合は1人でもできたけど、やはり、信頼できる人と始めるのが一番いいのかもしれませんね。
さて、こうゆうことで抗不安薬絶ちをして生活してたんですが、薬は絶ちましたよ、あれから飲んでませんよ、でも・・・抗不安薬はいつも持ち歩いてないといけない状況だけは変えられませんでした。
持ってるだけで飲むことはなかったんですけどね。
これで自分はもう発作は起きないんだと自信?なるものがついて、行動範囲も広くなったのです。
車にのりながらも、あの頃のあの苦しさはなんだったんだろう・・・今では想像もつかないな、なんて余裕もかましてたくらいです (笑)
だがしかし、抗不安薬をいつも持ち歩いてないとダメだった←これ重要なとこですよ。
今思えばこの時点でパニック障害なるものは克服したことにはなっていなかったのです。
抗不安薬は持ち歩いてるけど、服用はしていない、そんな生活は約2年くらい続きましたが、
ある日突然やってきましたよ、アレが・・・そう、発作の再発がね。。
その日は春先の桜がそろそろ咲き始めるくらいの季節でした。
ちょっと思い立って電車で出かけようと駅に行ったんですよ。
いつも特急に乗るので、そのときも特急に乗るつもりでしたが、駅に着いたらその電車が発車間際だったのです。
これに乗るかもう一本あとのでもよかったんですが、どうせならすぐ出発したほうがいいけど、それだと座席指定券を買う時間はないし、でまよった挙句、座席指定券なしでその電車に乗ってしまいました。
余裕なく乗ってしまったのと、座席指定券がないため座れなので、立っていなきゃいけない、そんな時、来たんですよ、あの感覚が・・・
今まで忘れてた感覚だったあの恐怖の感覚が・・・
電車が動き出した途端、動悸が始まり、アレ、これって・・・
こうなるともうどんどん症状は悪化する一方で、息苦しくなってくるし、立ってられないし、これは目的地までは無理と判断せざるを得ませんでした。
断っておきますが、まだこの時点でわたしはパニック障害だという確定診断は受けておりませんからね。
なので、パニックの発作だとは当時は思えなく、またあの感覚だ、と思うしかできなかったのです。
なんとか次の駅で降りましたが、しばらくは下りた駅のベンチで休憩して一旦駅を出ることにしました。
降りたはいいけど、帰りどうしよう、また電車に乗らないといけない、という思いがあり、再び切符を買うかどうか悩んでたんですが、幸いそんな遠くないところで降りれたので、覚悟を決めてまた電車で帰ることにしました。
薬は発作が出てから服用したので、効き始めるまではちょっとタイムラグがあるわけですが、帰りの電車に乗る頃にはかなり具合は良くなっていました。
こうしてなんとか帰ってこれることができたんですが、その日の予定はもちろんキャンセルに。。。
もしかしたらあの時もう一本あとの電車に余裕を持って乗ってたらこんなことにはならなかったのではないか、、なんて考えもしましたが・・・
この再発をきっかけに、1つの決心をしました。
そうだ、メンタルクリニックへ行こう。。
ちょうどその時期は不眠がちなこともあってそれも相談したいと思ってたので、この際いっぺんに診てもらおう、と決断する出来事となったのでした。
次回から、パニック障害の本格的治療編に続きます。